■Dog@school Happy☆わん☆Day ★教室名の由来★ 飼い主様と愛犬との貴重な一日を楽しく過ごして欲しいと名づけました。 また、躾けの「原点」でもあり「理念」になっています。 人とイヌという枠を超え、 人生のパートナーとして互いに認め合うような関係づくりを目指しています。 自分らしさを大切にしながら、 人生の『友』として愛犬との生活を楽しむことをご提案します。 リンクフリー HP: http://happy-wan-day.jimdo.com/
犬の本能・習性と正常行動
犬の学習理論
社会化期
しつけ(服従訓練とオペラント訓練技法)
問題行動と行動治療
問題行動の予防
《はじめに》
犬と人間の付き合いは古く紀元前6ー7千年頃からと言われています。
その昔、人々は食物を野獣や木の実などに頼り狩猟や採集によって生活をしていました。
犬はこの時期に狩りに利用できる動物として家畜化されていったと考えられています。
しかし、単なる利害関係(犬は人から餌を貰い、人は狩りに利用)だけでなく、
仲間としての精神的な絆を強めていったことは疑う余地もありません。
そして今日では伴侶動物(コンパニオンアニマル)として私たち人間の心を豊かにし、
生活に潤いを与えてくれる存在となっています。
私たち人間は共に生活を楽しむ伴侶動物として犬と付き合うとき、
犬の本能や習性そして特性を理解することは必要不可欠なことです。
そして、問題行動を未然に防がなくてはなりません。
さらに、犬が健康であることは、共に生きる喜びを増し、共に生活に溢れ、精神的な絆もいっそう強まることになるはずです。
しかし、現実には多くの犬が問題行動を起こし、飼い主が飼いきれず処分されたり、
処分されないまでも家族から疎まれて生きている犬は少なくありません。
こうした犬は病気になっても治療することも困難な場合があります。
人が犬を飼う時、言うことを聞かない、気の強く噛み付く犬にしたいと思う人はいないはずです。
信頼関係のある楽しい犬にしたいと思って犬を飼うはずです。
犬を飼う時、餌を与え、散歩をし、フィラリアや伝染病の予防接種をすれば十分と思っている人が大勢います。
しかし、それだけだけではなく「しつけ」の重要性を理解し実践しなければならないのです。
犬を安易に飼ってはいけないのです。
犬の種類や個性にもよりますが、しつけをはじめ犬の健康を管理し一緒に生活するにはかなりの時間と手間が必要です。
しかし、そうして犬と付き合うこと自体が犬を飼う楽しみそのものだと思うのです。
犬の「しつけ」とは非常に曖昧な言葉として用いられていますが、
ここでは、『犬は、生活を共にし、共に楽しい生活を送ることのできるパートナー』として、
そのような犬を育てるにはなにが必要なのか?という事を「しつけ」と定義したいと思います。
すなわち、問題行動を治療することでなく、問題行動を起こさないように(予防)育てることが重要な事なのです。
そして『飼い主と犬とのより良い関係を築くこと』が目標です。
短時間の講習を目的とした簡単なものとする必要があるために、十分な説明がされていなかったり、誤解を招くところがあると思います。
それは私の力不足によるものですが、講習の中で補っていきたいと思います。
《犬の本能・習性と正常行動》
犬は長い歴史のなかで人間により種々の目的に適した性質を持つように選択的育種が繰り返されてきました。
その結果、用途の異なる犬種が改良されてきましたが、犬種により形態的特徴や行動の特徴があります。
しかし、遠い祖先のオオカミから受け継いだ本能・習性は現在の犬にも継承されていて、
犬の正常な行動(社会行動)の中に見ることができます。
継承された主な本能には、繁殖本能(生殖本能、養育本能)、
社会本能(群棲本能、支配性本能、服従性本能、警戒本能、防衛本能、監守本能、闘争本能、帰家本能など)、
自衛本能、逃走本能、運動本能(遊戯本能)、栄養本能(探索本能、追跡本能、持帰本能)などがあります。
しかし犬は、犬種により行動様式にはかなりの違いありますし、また、同じ犬種であっても個体差があるもの事実です。
現在の犬が持っている主な正常行動を以下に挙げてみました。
(1)支配性(優位性)行動と服従性行動(支配階級制)
犬は祖先のオオカミと同様に社会性を持つ動物で、群れを作り生活します。
その群れの中では上下関係をつくり群れを統率する順位制度があるのです。
この制度により優位のものが劣位の犬に対して食物や交配相手といったすべての限られた資源を得ることにより統制されていて、平和な群れが維持されているのです(群棲本能、支配性本能、服従性本能)。
犬が家庭で飼われた場合には、その家族が自分の群れでありその中で順位づけがされます。
ですから犬を飼う場合には、犬の順位を家族の中で1番下(劣位)にすることが犬を精神的に安定した状態にし、飼いやすい犬にしつけることができるわけです。
どんな犬にも支配性本能と服従性本能の両者を持っていますが、どの相手にどちらの行動をとれば良いのかは学習が必要なのです。
1.犬が服従性を示すボディーランゲージ
a)犬が眼をそらす
b)能動的(積極的)服従・・・姿勢を低くして耳を後ろにねかせ尾を垂らす。
飼い主の顔や口もとを舐める(子犬が母犬に餌をねだる時の行動に由来)。
c)受動的服従・・・横にひっくり返って、片脚を宙にあげ外陰部を露出する。
少量の尿をもらすこともある。(子犬が母犬に陰部をなめてもらい排尿を促す行為に由来)
2.犬が支配性を示すボディーランゲージ
a)飼い主をみらむ
b)耳を前向きに立て、尾をあげ、歯をむく姿勢。
c)飼い主に前脚でのしかかる姿勢。
d)ボディーランゲージ以外にも支配性行動を示す表現として
次のような行動をとることがあります。
I)自分の気に入った場所から離れない。
II)口にくわえた物をはなさない。
III)言うことをきかない、無視するようになる。
IV)触られるのを嫌がる。
など犬が「自分の思いどおりになる」といった態度をとった時は支配意識を持ったと判断しなければなりません。
(2)縄張り性行動
犬は飼われている家を縄張りと看做し、近づいてくる(侵入しようとする)人間や動物に対して縄張りを守ろうとして吠えます(警戒本能)。
特に犬が自分の縄張りと思っている境界付近で顕著で、犬が吠える最も基本的な習性です。一般的には、犬が家庭内で優位にある時にこの行動は激しくなります。
(3)狩猟行動と採食行動
野生のオオカミは群れで組織的に狩猟を行います。
時には巣穴から遠く離れた所にまで獲物の臭いを頼りに追い(捜索本能)、
発見した時には、逃げる獲物を捉えようと走り(追跡本能)、
採った獲物を巣穴に運んで(持来本能、帰家(巣)本能)子供に与えたりします。
犬が動くものを追いかける行動はこの狩猟行動に由来するものなのです。
犬がボールをくわえてきたり(持来本能)、走る人や自転車などを追いかけたり(追跡本能)、
警察犬が臭覚を使い犯人を追う(捜索本能)のも捕食性行動によるものなのです。
ただし、この行動は犬種や個体差がかなりあり、すべての犬が同程度の行動をとるわけではありません。
(4)遊戯行動
犬は子犬でも、あるいは成長して大人になってもよく遊ぶ動物です。
子犬にとっての遊戯行動は将来必要となる行動の訓練といった意味合いがあり必要なことでもあります。
例えば、じゃれて遊ぶ中で噛みついて良い許容範囲を学んだり、優位と劣位の関係を示すしぐさを学んだりするのです。
成犬になっても、頭をさげ尾をあげる遊戯姿勢をとり、性的行動、
攻撃行動あるいは追跡捕獲行動を遊戯行動として行うことがありますが、
本気であるかの判断が難しいこともあります。
飼い主と犬の間の遊戯行動は支配性本能(権勢本能)から派生したものと考えるべきで、
脚で飛びついたり、あまがみなどはさせてないけません。
さらに支配的傾向のある犬の飼い主は綱引きなど闘争的な遊びはさけるべきでしょう。
(5)繁殖行動(生殖本能)
犬が性成熟に達するのは生後6〜10ヶ月ごろです。一般に小型犬は大型犬に比べ早熟です。
雄では片脚をあげて排尿をするようになった時で、雌の場合は発情の開始(膣から出血が見られる)で性成熟に達したことになります。
雌は発情前期(発情出血が始まった直後)には雄を寄せつけませんが、交尾期(発情出血後10日前後)には雄を許容するようになります。犬の妊娠期間は平均63日ですが、妊娠しなかった場合は、年に2回(1回のこともある)発情を繰り返します。
(6)母性行動(養育本能あるいは母性本能)
雌犬が出産する場合は安全な所で出産しようとします。
それは外敵から子を守ろうとする本能からです。出産後も同様で、たとえ飼い主であってもそばに寄せつけないことがあります。母子間の絆は非常に強いものなのです。
分娩から離乳するまですべてのことを母犬が行い子育てするのが普通ですが、中には子育てをしない犬もいるので、そうした場合には人が手助けしなければならない事もあります。
飼い犬が出産するときは、住み慣れた場所で人気のない所に産室(小さ過ぎず、大き過ぎないもの)を作り、薄暗い環境にすることが必要です。
(7)排泄行動
オオカミは山の斜面などに掘った巣穴で生活します。
巣穴を汚さないように、あるいは他の動物に巣穴を見つけられないように、
巣穴から離れた場所に排泄する習性があります。犬も同様の習性があるため、
家の中で犬を飼う場合はハウス(寝床)から離れた場所にトイレを作らなければなりません。
またハウスはあまり広いものでなく、体の方向が変えられる程度であまり明るくないほうが良いでしょう。
《犬の学習理論》
本能的な行動以外の、動物にとって有益な行動パターンをどのようにして動物が獲得するかを実験的に集大成して確立した理論です。
犬の学習理論だけで犬の発育段階におけるすべての認知過程を理解・評価できる訳ではありませんが、
犬の行動を予測したり、問題行動を予防あるいは変更させるためには是非とも知っておいた方が有利な理論です。犬が新しい行動を学習する場合、2つの方法があります。
すなわち、古典的条件づけとオペラント条件づけ(道具的学習)です。
(1)古典的条件づけ
古典的条件づけとは、不随意的・反射的な反応を基礎とするものです。
すなわち、通常では誘発されることのない状況下で、無意識的な行動あるいは反射的な行動を、動物が学習する過程をいいます。
反射反応(無条件反応)を起こさせる自然の刺激(無条件刺激)に、
反射反応とは関係のない中性刺激を繰り返し与えると、やがて中性刺激だけで反射反応が発現するようになります。
この状態での中性刺激を条件刺激、また反射反応を条件反射といいます。
これが古典的条件づけといわれるものです。
ロシアの研究者のパブロフの行ったいわゆる"パブロフのイヌ"の例に代表されるもので、
犬に餌を与える時にベルの音を聞かせていると、餌を見せなくてもベルの音だけで犬がよだれを垂らすようになることを発見しました。
この場合は無条件刺激が餌、中性刺激(条件刺激)がベルの音、反射反応(条件反射)がよだれの分泌になります。
家庭でのトイレのしつけは本来この古典的条件づけによるものです。
排尿や排便といった生理的反応では、排泄をしたいという体内感覚と前にした排泄の臭いなどの環境刺激が無条件刺激として働きます。
ですから、家庭での訓練は、排泄反応を環境刺激とだけ結び付けるプロセスといえます。
(2)オペラント条件づけ(道具的学習)
与えられた状況下(号令)で生じたある一定の自発的行動(反応)に続いて報酬(褒美)を与える事によって、動物がその行動を学習する過程をいいます。
すなわち、号令→反応+強化(報酬)によって一定の行動を習得させる過程で、この過程が続けて起こることが極めて重要となります。
オペラント条件づけは1937年にアメリカの行動学者B・F・スキナーが用いた方法です。
スキナー箱という箱の中にテコ棒が仕掛けられていて中に入ったネズミが棒を踏むと餌が与えられる仕組みになっている箱で、
初めはネズミが偶然に棒を踏むことにより餌を得ましたが、以後それを学習し条件反射が強化されこの行動を完全に学習しました。
このメカニズムすなわち、動物は刺激により条件反射をとり、報酬を得る学習は積極的で強制することなく学習することをオペラントと名付けました。
動物の条件反射行動が道具的に学習されるので道具的学習ともいわれます。
オペラント条件づけを犬の訓練に積極的に応用するとき、オペラント訓練技法ともいわれます。
問題行動によっては学習してしまった結果によるものがかなりあります。
例えば、飼い主の注目を注ぐといった行為は犬にとって報酬になります。
1.強化 動物にとって報酬となる出来事のこと。
ある刺激(犬の場合号令)に続く行動の 直後に報酬となる出来事が加わると、
その行動が繰り返される確率が上昇します。
a)強化のタイミング;報酬を与えるタイミングが重要で、反応と同時に与えなければなりません。
b)強化の度合い;報酬が魅力的であればある程、その効果があると思いがちですけれど、学習させたい反応が複雑であったり、静かにじっと我慢させる行動を必要とする場合には、かえって逆効果になることがあります。
c)強化スケジュール;反応を常に維持するには、間隔をあけて不定期に報酬を与えたほう
が良いでしょう。
d)二次的強化;本来の報酬ではなく、報酬と一緒に与えることによって、強化として働 く二
次的な報酬のことです。ほとんどの犬は飼い主との相互関係が本質的な報酬であり、
褒め言葉や愛撫などは強化としては一番の報酬となります。
2.消去 条件づけられた特定の行動を消滅させることとで、古典的条件づけでも用いられ る用語です。
その方法は、行動が強化されないように徹底することが最も安全で信頼性 の高い方法です。消去とは別の反応を新たに学習することで、忘却ではありません。
かつて強化を与えられた反応が突然強化を与えられなくなると、始めはその反応 (行動)がより頻繁に認められる(消去バースト)ようになることがありますが、しだいに減少していきます。
3.反応形成 希望する複雑な反応(行動)を徐々に教えこむ場合に用いられる方法。複雑 な行動を段階ごとに訓練する場合などです。
4.刺激般化 ある特定の刺激に対して行動が条件づけられてしまうと、類似の刺激にたい しても同様の行動が生じることがあり、これを刺激般化といいます。例えば、花火の音にパニックになった場合、他の大きな音(雷など)に対してもパニックになる場合などです。
(3)罰
罰とは特定の行動が再発する可能性を減らすために、その行動の最中か直後に嫌悪刺激を与えたり、報酬をなくしたりすること(負の強化)をいいます。罰は訓練する場合にとても効果的で最もよく使われる方法と思われています。しかし、特殊な場合に遠隔罰を用いた嫌悪学習などでは効果的な場合がありますが、直接罰は恐怖感や不安感を与え問題行動をより悪化させてしまうことがあり、あまり薦められる方法ではありません。それより、報酬、消去、気をそらす、別の行動に仕向けるといった方法で行動の再発を減じるほうが、時間はかかりますが最も確実性があります。罰は犬が恐怖を感じて攻撃性を示したり、罰を与える人を避けてしまうようになったりすることがあるのです。
罰には下記のように直接罰、遠隔罰および社会罰があります。
a)直接罰;犬に対して直接的に与える罰で言葉で叱る、叩く、首を掴むなどです。
b)遠隔罰;無駄吠え防止首輪、水鉄砲、缶からや雑巾投げなどにより犬が罰を与える人 間が分からないように遠隔操作によって与える罰。
c)社会罰;無視やタイムアイト。
《社会化期》
1965年にアメリカの心理学者のJ.スコットとJ.フューラーらは子犬の行動発達についての16年にわたる研究の成果を明かにしました。生まれた子犬の感覚や行動様式は環境に影響を受けながら発達し、行動発達は(1)新生期、(2)移行期、(3)社会化期、(4)若齢期の各段階に分けられるというものです。
各段階の特徴は、
1.新生期(生後0〜13日);眼があくまでの時期で各種の反射機能(交差伸筋反射、マグナス反射、ルート反射、唇吸引反射、眼瞼反射、排泄反射)はありますが、眼はみえず、外界の刺激からは遮断されています。平衡感覚、痛覚、温度感覚はあり、この時期に基本的ならびに身体的に必要なものは、母乳、保温、睡眠そして自分ではまだ排泄できないため母犬が子犬の陰部をなめ排尿排便を促す反射刺激です。
2.移行期(生後14〜20日);耳はまだきこえませんが、視力をはじめとする感覚機能が徐々に発達し、刺激に反応し学習する能力が出てくる時期です。臭覚はこの時期から学習が始まっていてこの時期に子犬に触れることは犬と人間の相互関係を形成するのに役 立ちます。自分で排泄ができ、生後20日頃から歯がはえてきます。
3.社会化期(生後21日〜12週齢頃);生後21日前後で耳がきこえるようになり、生後5週ころに歯がはえそろうと母犬は授乳を嫌がるようになります。7〜10週齢までに離乳します。社会環境に順応しやすく性格が作られる時期です。
4.若齢期(生後12週齢頃〜性成熟まで);運動機能が発達し、離れた場所にも興味を示すようになります。
特に社会化期は集団のなかで社会的関係が形成される時期で、適切に社会科期を過ごさないと将来人に飼われる場合に、飼いにくい犬となることがあります。
社会化とは、相手(人や犬)に対して相手に応じた適切な行動をとる能力を接触や環境刺激を通して学習獲得することです。ですから、生後1ヶ月ぐらいに母犬や同腹犬と離され犬を飼う場合は飼い主が同様の社会化作業を行わないと問題行動を起こす要因となってしまうのです。
社会化期の始めに耳がきこえ眼がみえるようになり、探索するようになり、同腹犬や人間に関心を示すようになり、この時期から12週齢齢頃までの子犬の環境や刺激が子犬の性格に大きな影響を与えるのです。社会化期に必要な環境を次に示しました。
1.母犬との相互関係;子犬の排泄を促すために陰部をなめる時に子犬は陰部を露出させる 姿勢をとります。これは服従の姿勢で、母犬から服従行動を学びます。さらに、離乳時 期に子犬が乳房を吸おうとすると、母犬は威嚇したり押さえ込んだりし、その過程で子犬は服従の姿勢をとるようになり服従行動を学ぶのです。子犬が母犬に噛みつくと、母犬は強い反撃攻撃をします。そして子犬は二度と母犬を噛まなくなります。
2.同腹犬との相互関係;子犬同士の遊び(追いかけっこ、じゃれあい、噛み合い、など) のなかで、優位や劣位の行動を学び、ボディーランゲージも学習します。噛み合い遊び のなかで噛み付きの許容範囲も学習するのです。
3.人間との相互関係;人間と接触することにより、子犬は人間を潜在的な社会的対象動物 すなわち、自分と同じ種類の動物とみなすようになるのです。ですから子犬はできるだけ家庭的な環境のなかで、男性、女性、子供をはじめとするさまざまな人間との接触が 必要なのです。そうすることにより、新しい飼い主のもとで人間を恐れることのない犬となるのです。
4.環境との相互関係;ほとんど刺激のない環境で育った子犬は、学習能力が阻害され、過 剰反応や恐怖反応をはじめとする種々の障害が現れやすいということが明かになってき ました。したがって、子犬には社会化期の早い段階から人間環境の経験をさせておく必 要があります。たとえば、洗濯機、掃除機、テレビなど(人間環境の音)や車に乗せることなどです。こうすることによって、将来新しい飼い主さんの所へ行っても恐怖心を抱いたりその他の問題行動を起こさない犬になるのです。
《しつけ(服従訓練とオペラント訓練技法)》
犬は群れで行動する動物です。群れの中には劣位のものから信頼される強いリーダー(α=アルファー;第1位という意味)がいて群れを統率するのです。換言すれば犬は頼りになるリーダーをも求めているのです。家庭で犬を飼う場合には、家族を構成する人間がみんな犬のリーダーにならなければいけません。犬に「しつけ」をするとき、犬からみて信頼できるリーダーとして認められていないと犬はなにも従ってくれません。
犬を飼う時、言うことのきかない噛みつく犬にしたいと思う人はいないはずです。ほとんどすべての人は信頼関係のある楽しい犬にしたいと思っているはずです。そのためには犬が本能として持っている服従性本能を伸ばしてやり、逆に支配性本能を伸ばさない工夫が必要です。飼い主も、犬が期待しているリーダーになるために、リーダーウオーク・ホールドスチール・アタッチメント(リーダーとしての態度)を行い、続いて「座る」「伏せる」「陰部露出」などの犬がリーダーに示す服従行動をさせることが必要です。犬に「伏せ」などの号令を学ばせるためには強制ではなく、オペラント技法を用いると犬は自発的に、積極的に、あるいは飼い主(リーダー)の号令を喜んで求めるようになります。このような訓練の方法が重要なポイントなのです。
(1)リーダーウオーク
散歩のときに飼い主は犬を自分の横あるいはやや後ろに従えて歩くことです。群れで行動する犬の本能で、群れを移動するときはリーダー(ボス)が先頭に立ち、群れを意識的に誘導します。散歩は犬にとって群れの移動と考えており、犬に引っ張られて散歩をするのは犬に対して人間が服従性行動をとっていることになるのです。散歩のときには、犬を決して前にださず、顔を見たり、声で命令したり、叱ったりしないで犬を無視して散歩をします。こうした飼い主の行動はリーダーとしての態度として犬に伝わり、犬は飼い主に対して従属的な行動を好み、喜ぶようになります。
実際には、犬を無視してどんどん歩きます。リードは引っ張らないようにし(趨触性といって、引かれると余計に引こうとする犬の心理)、犬がリードを引いたらその瞬間にリードが緩む方向に方向転換します。犬が前に出ようとしたら、その瞬間に反対方向へ行きます。犬が右に行こうとしたら左へ、左に行こうとしたら右に方向転換し、飼い主がリーダーシップをとって歩きます。
(2)ホールドスチール(拘束静止法)
犬の服従性本能を育てるのに最も適した方法です。しかし、1歳を超えるとかなりの力で抵抗することがありますから、そのときは十分にリーダーウオークをするといったことも必要かもしれません。
具体的には、飼い主はヒザをついて座り、犬を後ろから抱きかかえるように座らせます。犬は特に劣位のものに後ろに回られるのを嫌がります。犬が飼い主を信頼させるための方法なのです。次に、片方の手で犬の胸のあたりを支え、もう片方の手でマズルを持ちコントロールします。犬が抵抗しても決して離してはいけません。抵抗すれば離すことを学習してしまうのです。犬が静止して動かなければ「よーし」と褒め撫でてあげます。この時(動かなくなった時)いきなり解放すると、解放されることを期待し逆に落ち着かなくなることがあるので、徐々に解放することが大切です。
(3)アタッチメント(体端部接触馴致脱感作法)
犬の体端部(耳、鼻、尾、四肢端、腹など)は知覚神経の敏感な場所で触られるのを嫌がります。
しかし、体端部を触ることによって犬は飼い主に対する信頼感を増すため、飼い主に安心して従う服従心を育てることができます。こうすると他人や子供が触っても安心でき、爪切りなどの手入れや動物病院でも診察や治療も簡単にできるようになります。
アタッチメントはホールドスチールが完全にできたら行います。まず、ホールドスチールの状態から前脚をゆっくり前方に引き伏せの姿勢をとらせます。次に、犬を横向きに寝かせ体端部を触ります。
さらに仰向けに寝かせ同様に体端部を触ります。この過程で犬が抵抗しても決して途中でやめてはいけません。解放するときはホールドスチールのときのように徐々に行います。
(4)オペラント訓練技法
オペラント訓練技法の理論についてはオペラント条件づけの項で説明しました。ここでは、この条件づけを用い犬に「スワレ」、「フセ」、「マテ」、「コイ」などの号令をしつける方法について説明します。オペラント訓練技法は犬にさせたい動作・行動を強制的にさせるのではなく、自発的、積極的、喜求的に飼い主の求める動作や行動をさせる方法です。報酬(ご褒美としてごく少量のお肉など)をタイミング良く与え(強化)、繰り返すことにより訓練します。
1.「スワレ」のしつけ
犬を立たせておき、褒美を握った手を犬の鼻先から頭の後ろに向かって移動させます。犬が
座った瞬間に褒美を与え、「よーし」と声で褒めさらに頭を撫でてあげます(二次的強化)。これ
を何度も繰り返します。完全にこの動作ができるようになったら、今度は、座った瞬間に「スワレ」
と言葉をかけます。やはりこれも何度も繰り返すと、言葉だけで座るようになります。褒美として
「よーし」あるいは頭を撫でるだけにしていきます。
2.「フセ」のしつけ
犬をスワレの姿勢にしておき褒美を握った手を今度は犬の前の地面につけます。犬が褒美に
つられ姿勢を低くすると自然にフセの姿勢になりなす。フセをした瞬間に褒美を与え、同様の動作
を繰り返します。動作を学習したら、今度は、フセをする瞬間に「フセ」と号令をかけ、これも繰
り返し行うと号令だけでフセをするようになります。「スワレ」のときと同様に、食べ物の褒美に
加え言葉と愛撫による褒美も忘れてはいけません。
3.「マテ」と「コイ」のしつけ
マテのしつけのポイントは、犬に「待っていれば必ずご褒美が貰える」ということを学習さ
せ、待つことを教えていくことです。犬を座らせ、飼い主に注意を引き付けておきます。少し離れ
ますが犬が立とうとしたら立つ前に戻り褒美を与えることを繰り返します。この動作ができたら今
度は、離れる前に「マテ」と言葉をかけ離れます。徐々に離れる距離を長くできれば成功です。
待つことができたら離れた位置で「コイ」と言葉をかけます。言葉をかけると同時に2〜3歩後ろにさがります。犬がついてきたらすぐに褒美を与えます。
オペラント訓練技法のコツはご褒美の餌と同時に褒め言葉(「よーし」など)と頭を撫でて褒めることを行うことです。そうすると、最終的には褒め言葉や愛撫だけでも犬は自ら進んで喜んで飼い主の号令に従うようになります。訓練の途中で与える褒美も号令に従うようになった時点で不規則(褒美を与えたり、与えなかったりする)に与え、その後は徐々に減らしていくと良いでしょう。
(5)生活環境に慣らす
たとえ社会化期に社会化がうまくされたとしても、犬が実際の飼い主の環境すべてに適応するわけではありません。他人や他の犬(犬が嫌いな人、あるいは適切な社会化期を過ごしていなかったり、支配性攻撃行動をとる犬にはいけなせんが)に対し慣らしていき、商店街や街中でも飼い主を信頼し安心して行動ができるように訓練することが大切です。犬と犬が出会うと社交的情報交換とも言うべき行動(お互いの臭いを嗅ぎあう)をとるものです。このとき喧嘩になるようでは安心して街に出ることもできません。
(6)しつけをしないことによる不利益
1.犬を飼う楽しさの半減;しつけをせず言うことをきかない噛みつく犬と、しつけのできた信頼関係のある楽しい犬を比べたとき、どちらの犬を飼いたいと思うかは明らかです。飼い主さんの考え方にもよりますが・・・
2.犬の健康管理ができない;しつけをせず支配性攻撃行動を示す犬の場合、ブラッシングやシャンプーを行うこともできないばかりでなく、病気になっても動物病院に連れて行くこともできなくなります。たとえ連れていったとしても必要な検査や治療が困難なことも多々あります。
3.病気になりやすい;しつけをしていないと、常同症をはじめとする「しつけ」をしていな
いことによる疾患に罹ることがあります。こうした疾患はしつけが原因のため薬ですぐに治すというわけにはいかないことが少なくありません。さらに、しつけをしていない犬は常に支配的立場を維持しなければならないというストレスや攻撃的な生活は常に交感神経を興奮状態にしているため、様々な疾病にかかりやすい状態にさらされるということになるのです。
《問題行動と行動治療》
犬の問題行動とは飼い主が困ったとき、あるいは問題であると思ったとき・問題行動・となるのであって、かなり飼い主の主観によるものがあります。犬にどんな行動をされたら困るかは飼い主の生活環境や考え方によって異なって当然ですし、飼い主は困らなくても周囲の人間に迷惑をかけ飼い主が困るという場合もあります。ここでは、問題行動を「飼い主にとって容認できない行動。および、犬の自己障害的行動」を問題行動と定義します。
問題行動で一番多いものは犬がα(アルファー)となってしまい自分の思いどおりにならないと威嚇や攻撃をする優位性攻撃(権勢症候群)ですが、次いで、人や他の動物に吠えかかる攻撃行動、不適切な排泄行動、むだ吠え、留守番中に家具を噛みちぎる破壊活動などがみられます。
問題行動を治療することを獣医学では行動治療といいます。すなわち、飼い主が自分の飼い犬を問題と認識しそれを治そうと思ったとき初めて治療が可能となります。獣医師の手法は医学的な問題なのか、あるいは行動上の問題なのかを精査し1.環境の変更、2.ホルモン療法、3.行動療法(行動修正も含まれる)4.薬物療法などを単独あるいは組み合わせて行います。
ここでは、主な問題行動の特徴と飼い主にも可能な行動療法を中心に説明します。しかし、とても「凶暴」に育ててしまった犬の場合には獣医師や訓練士に相談するべきであることはいうまでもありません。また問題行動はいくつもの行動が重なって起こしていることが多く、素人判断は禁物です。
(1)問題行動
犬の攻撃行動は唸る・歯をむく・噛むの3種類があり、同時に攻撃の表情や姿勢をとります。
1.攻撃行動
(a)優位性攻撃行動;犬が家族(群れ)の中で優位(ボス)であるとみなし、あるいはその優位(順位)を誇示するためにみせる攻撃行動(αーシンドローム、権勢症候群)です。この問題行動のほとんどは飼い主が犬のいいなりになった結果(服従性行動をとった結果)によるものです。代表的な行動を次に例示します。
・食べ物やおもちゃをとろうとすると威嚇あるいは噛みつく。
・散歩でいつも先頭に立ち自分の行きたい方向へ引っ張る。
・散歩中に他人や他の犬に吠えかかったり、リードをくわえたり、飼い主の足に飛びついたり噛んだりする。
・飼い主に飛びついたり、吠えたりする。
・飼い主の手をジャレて噛む。
・排泄後地面を引っかく。
・飼い主の言うことをきかない、無視する。
・飼い主にマウントする。
【対策】
●行動療法:最大のポイントは服従訓練のやり直しです。
(b)縄張り性攻撃行動;飼い主の家や庭を犬が縄張りとみなしていると、郵便配達人や訪問者に対し縄張り性攻撃行動を起こします。これは犬が吠えることによって侵入者を撃退したと学習してしまうもので(本来は仕事を終え帰るのですが)、毎日繰り返すことにより学習が強化されてしまうのです。
しかし、こうした訪問者に吠えるからといってその行動がすべて縄張り性攻撃行動であるわけではありません。支配性攻撃行動であったり、縄張り性攻撃行動と支配性攻撃行動の組み合わさった攻撃行動などがあります。ですから訪問者に吠えたから縄張り性攻撃行動と判断するのは危険です。素人判断は問題を複雑にし逆効果になることが少なくありません。
縄張りを守る行動というよりは、保守防衛的攻撃行動すなわち、縄張りよりも飼い主を守るためにみられる攻撃行動もあります。
【対策】
●環境の変更
●行動療法:系統的脱感作and/or報酬を利用した逆条件づけ。
(c)恐怖性攻撃行動;恐怖誘因性攻撃行動とも呼ばれ、恐れや不安による攻撃行動で、以下に示すような恐怖行動が見られればこの攻撃行動です。1.恐怖を示す姿勢 (耳を後ろにねかせ、尾を下げる、震える)が犬に認められた場合。2.積極的に攻撃しようとするのではなく、後ろに退きながら噛みつこうとしたり、威嚇する場合。3.狭い場所に閉じ込められるなど、犬が追いつめられたと感じるような場合。不意に驚くような状況におかれた場合などです。
先天的に臆病で恐怖性攻撃行動を起こす犬もいますが、子犬の時に経験した事が恐怖心と結びついている場合、あるいは社会化が不十分な場合などにみられます。
【対策】
●環境の変更
●行動療法:(I)攻撃対象に対する系統的脱感作and/or報酬を利用した逆条件づけ。
(II)飼い主と犬との関係の再構築。
●薬物療法
(d)捕食性攻撃行動;捕食姿勢(注視、忍び歩き、低い姿勢など)に引き続き起 こる事が多く、人をはじめ、犬、猫、鳥、などの動物に対して攻撃行動を起こします。ときには、自転車や車などに対する場合もあり、すばやく動くものによって誘発されることが特徴です。威嚇をしたり、吠えたりしないで攻撃することが捕食性攻撃行動によくみられます。
【対策】
●環境の変更
●行動療法:(I)飼い主と犬との関係の再構築。
(II)攻撃対象に対する系統的脱感作and/or報酬を利用した逆条件づけ。
(III)遠隔罰を利用した嫌悪条件づけ。
(d)同種間攻撃行動(家庭内);同一家庭内に複数の犬がいる場合、お互いの優劣関係の意識がないことによる犬同士の攻撃行動です。とくに同じ犬種、同じ体格、同じ性質、同じ性別のとき起こしやすい。子犬のときは問題はないのに、成犬になってこうした攻撃行動がみられることが多いようです。
社会化ができていなかったり、人間が弱い犬に味方してしまい優劣関係ができないことによる場合がかなりあります。
【対策】
●行動療法:(I)順位の確立。
(II)不適切な仲裁の禁止。
●ホルモン療法:雄同士の場合は去勢手術が有効なことがある。
(e)同種間攻撃行動(家庭外);散歩中に見知らぬ犬にとる攻撃行動で、特に相手の犬が威嚇をしたり、危害を与える意志がないと思われるのに攻撃する行動です。社会化不足、過度の防衛本能、飼い主を守る防護本能、支配性本能の強い場合などが代表的な例です。
【対策】
●環境の変更:攻撃行動が起こる状況の回避。
●行動療法:他の犬との距離に対する系統的脱感作and/or報酬を利用した逆条件け。
●ホルモン療法:雄の場合去勢手術が有効なことがある。
(f)特発性攻撃行動;何の前触れもなく、突然襲いかかる攻撃行動で特発性凶暴性症候群とも言われます。このような犬では通常、支配性を示す徴候がみられます。単色の皮毛のコッカースパニエルに多いとされています。非常に危険なため行動療法が不可能なこともあります。
【対策】
●薬物療法
●安楽死
(g)母性的攻撃行動;子育てをしている母犬に近づいてきた人を威嚇するもので、母犬の本能的な正常行動です。従ってこの行動を修正する必要はありません。これは、支配性攻撃行動の変形とも考えることもできるようです(子育ての時期には支配性の上昇を認めることが多い)。
2.不安・恐怖に関連する問題行動
(a)分離不安;飼い主の不在時のみにみられる問題行動で、無駄吠え、破壊的行動、不適切な排泄、嘔吐、下痢、震え、自傷的行動などの行動がみられます。犬は群れで行動する動物で本来群れの仲間と一緒に生活していて、特に子犬は一匹でいることが苦手な動物です。成犬になると、だんだん群れから離れても不安は起こらなくなります。しかし、飼い主の不在により不安を生じる犬がいるのです。
分離不安の要因には、飼い主の外出に対する馴化不足(飼い主がいつも家にいる環境で育った犬)、外出および帰宅時の飼い主による犬への関わり合いの過多などがあります。
【対策】
●行動療法:(I)飼い主と犬との関係の再構築。
(II)外出に対する系統的脱感作and/or報酬を利用にた逆条件づけ。
(III)外出を気づかせる手がかりを与えない。
(IV)外出および帰宅時の飼い主による犬への関わりの排除。
●薬物療法:行動療法の補助として用いられる。
(b)騒音恐怖症;雷、花火、飛行機の音などに対して起こす不安行動や逃避行動です。大きな音に対して不安行動を示すだけでなく、パニック状態となることもあります。犬は一定以下の音(刺激)に対しては、繰り返し与えられるとそれに慣れていくのですが、一定以上の強い音(刺激)に対しては、恐れや逃走の反応が引き起こされ慣れることがない場合があります。すなわち、音(刺激)に対する恐怖が古典的条件づけされてしまうのです。
社会化不足、過去の経験(例えば、雷のときに驚いて体をどこかにぶつけるなどの肉体的苦痛、痛みを伴ったときにはいっそう激しい)、飼い主の不適切な強化(犬が不安の行動を示したときに、なだめたりするとそれが褒美となり恐怖症がどんどん悪化する)などが要因のことが多いようです。さらに、騒音恐怖症は1つの音 (例えば花火の音)に対して恐怖が強化されると、それ以外の大きな音(例えば雷の音)に対しても恐怖症になってしまうことがあります(刺激般化)。
【対策】
●行動療法:(I)飼い主と犬との関係の再構築。
(II)恐怖の対象になる音に対する系統的脱感作and/or 報酬を利用した逆条件け。
(III)不適切な強化(なだめる、だっこするなど)の禁止。
●薬物療法:行動療法の補助として用いる。
3.その他の問題行動
(a )無駄吠え;飼い主にとって困るように吠えることが無駄吠えで、行動学上の用語ではありません。吠えることによって近所に迷惑をかけるといった理由で無駄吠えとするのが現代社会の慣例とされているのです。
犬が吠えることは犬にとってのコミュニケーション手段であり何らかの理由(縄張り性攻撃、分離不安、飼い主の注意を引く、他人に対する攻撃、恐怖、などさまざま)があります。ですから、無駄吠えをなくすには吠える理由・原因を明らかにし、それぞれの理由・原因に合った方法をとらなければなりません。
【対策】
●環境の変更
●行動療法:(I)吠える刺激に対する系統的脱感作and/or報酬を利用した逆条件け。
(II)飼い主の不適切な対応と強化の禁止。
(III)嫌悪刺激を罰として用いる(負の強化)。ただし、犬の行動ニーズを満
たしていないことが原因のときは逆効果。
(b)不適切な排尿(子犬のトイレットトレーニング);子犬のトイレのしつけはそれほど難しくありなせん。自分の巣穴を清潔にし、臭いにより外敵から巣穴を悟られないようにする本能的行動パターンがあるからです。そして、適切なハウス(あまり大きすぎず安心できる場所)と適切なトイレ(ハウスから離れた場所で、少し広めの大きさ)を考慮すれば、古典的条件づけによりすぐに学習します。
(c)不適切な排泄(成犬);子犬のときのしつけには問題がなくずっとうまくいっていたが、突然、不適切な場所で排泄するようになることがあります。このような行動の原因には、尿によるマーキング、下痢などの消化器疾患で間違った場所での排泄行動それ自体が強化された場合に引き続いてみられる不適切な場所での排泄があります。
【対策】
医学的な問題(泌尿器系の疾患による頻尿、消化器疾患による排便など)があるか否かを獣医師に判断してもらい、そうでなければ、
●環境の変更:ハウスとトイレの大きさ、位置、場所の確認。不備であれば変更。
●行動療法:しつけのし直し。尿マーキンッグは支配性意識が高まると起こしやすい。不
適切な排便の場合は行動の消去や報酬を利用した逆条件づけ。
●ホルモン療法:尿マーキングは去勢手術が有効な場合がある(約50%)。
(d)服従的排尿行動;医学的な問題以外で不適切な排尿がみられる場合で服従行動に伴う排尿行動です。代表的なものに人が近づいたときなどに仰向けの姿勢で片脚をあげ、受動的服従行動として排尿してしまう場合です。すでに服従的立場にある犬に、犬にとって支配的地位の人が近づいた場合に服従的排尿行動が起こります。
【対策】
●行動療法:飼い主がとる支配的な態度や行動を変更する。例えば、犬に接するときに
しゃがんで犬と同じ高さで接するなど。
●注意:過度の興奮によっても排尿する場合があるので、それとの見極めが重要。
(e)飼い主の関心を求める行動;咳をしたり(抱き上げると止む)、跛行、空中のハエを捕まえる様なしぐさなど様々な行動をとります。こはれは飼い主に対し関心を引こうとする行動なので、飼い主がいないときには起こしません。
【対策】
●行動療法:(I)飼い主と犬の関係の再構築。
(II)問題行動への強化の回避。
(III)報酬を利用した逆条件づけ。例えば、問題行動をとったときに、「伏せ」などの別の好ましい行動をとらせ、その行動に対して報酬を与えるなどです。
(f)常同症;動物が緊張や不安を緩和させるために行う行動を転位行動といいます。葛藤(二者の選択)、欲求不満(本能的な行動に対するもの)、高揚状態(喧嘩の直後)などにみられます。転位行動としては、毛づくろい、体を舐める、床を引っ掻く、自分の尾を追うなどがあります。転位行動が繰り返し行われるようになると同常症といいます。常同症で例えば、前脚を舐め続けると舐性皮膚炎(肉芽腫)になる場合もあります。
【対策】
●行動療法:(I)飼い主と犬との関係の再構築。飼い主との関係が退屈な場合。
誰にもかまってもらえない。
(II)きっかけとなる葛藤や高揚状態への対処。
(g)活動性の過剰;飛びついたり、顔を舐めようとしたり、動き回ったり、遊びをねだったりする行動が日常生活のなかで常にみられ、飼い主が困ってしまう状態のことです。
【対策】
ほとんどの場合、犬の行動ニーズが満たされていないことが原因です。従って犬の行動ニーズを満たすことです。
(2)行動療法
問題行動治療の1つの方法ですが、この方法ですべてが解決するわけではありません。しかし問題行動の多くが「しつけ」の失敗によることが多いことから、犬の飼い主には知っていてほしい方法です。
問題行動の原因は複雑なこともあり、素人判断による行動療法はかえって逆効果になることもあります。
獣医師や訓練士の綿密な計画と適切なアドバイスのもとに行わなくてはならないことも少なくありません。
1.飼い主と犬との関係の再構築
飼い主の支配性の確立を行うことで多くの問題行動は解決する。とくに権勢症候群は犬の支配性を示す問題行動です。その他の問題行動にも飼い主の支配性(優位性)の欠如が原因のことがかなりあります。
2.ストレスの緩和
不安や葛藤などを誘発する状況があればそれを取り除くことが必要です。飼い主の犬に対する態度でよく問題になる例として、不適切な罰、犬に対し家族の一貫性のない対応などにも注意しなければなりません。
また、犬の行動ニーズを満たさないような飼育環境の場合は飼育環境を改善する必要があります。
3.問題行動を引き起こす刺激の除去あるいは修正
問題行動を望ましい行動に変化させる方法で行動修正法とも呼ばれ、学習理論に基づいた方法です。
代表的なものについて説明します。
(a) 馴化;犬は新しい刺激にさらされると驚いたり不安をおぼえることがありますが、この刺
激が徐々にそして何度も繰り返されるとしだいにその刺激に馴れていきます。この過程を馴化とい
い、大きな音への馴化などです。馴化を応用したものに氾濫法 と系統的脱感作があります。
(I)氾濫法(洪水療法);犬が反応を起こすのに十分な刺激をその反応が枯渇するまで繰り返し与える方法です(あまりお薦めできません)。
(II)系統的脱感作;犬が問題行動を起こす刺激であっても、その反応を起こさない程度の弱い刺激を繰り返し与え、犬が反応を起こさなければ徐々に刺激の程度を強めていき最終的には反応を起こしていた刺激まで強めても反応が起こらないようにする方法。逆条件づけと併用すると効果が高い。
(b)逆条件づけ;問題行動を起こす刺激に反応したときに、問題行動とは全く別の好ましい行動をするように条件づけ方法。例えば、留守番をすると破壊活動をする犬に、徐々に留守番の時間を長くする(系統的脱感作)とともに留守番のときのみに報酬を与える(逆条件づけ)などです。あるいは、縄張り性攻撃行動の場合、友人などに頼み犬が吠えない距離まで近づいてもらい、そのときに「オスワリ」と号令をかけ、吠えなければ褒美を与えます(逆条件づけ)そして近づく距離をだんだん狭めていきます(系統的脱感作)。行動の変換代入法(反応の変更)とも呼ばれます。
(c ) 消去;問題行動に対し報酬となっているものを除去し、その行動を消滅させることです。例えば、食事のときに食べ物を欲しがる犬の場合(食べ物を与えなければならないのですが)は無視し報酬(食べ物)を与えない方法です。しかし、多くの場合飼い主が無意識のうちに報酬を与えていることが(他人に吠えかかる問題行動の場合、飼い主は怒っているつもりでも犬にとっては加勢であったり、あおっていると思うことがあります)少なくありません。
(d )注意散漫法;気を散らすことで、驚いたり、不快になるような刺激で犬の気を散らして、問題行動を引き起こす刺激に反応しないようにする方法です。逆条件づけと併用すると効果はさらに増します。
《問題行動の予防》
犬が問題行動を起こすか否かは、遺伝的要因と環境的要因があります。環境的要因にも子犬のときから成犬になるまでの間に様々な要因があり、それらが相互に影響しあいながら決まるものです。しかし、一般的に注意しなければならないことについて説明します。
犬の問題行動は飼い主が困らなければ通常問題化しませんが、「なぜ犬を飼ったのか」ということをもう一度考え直すことも必要でしょう。前にも述べましたが、犬を飼うときに「言うことのきかない、噛みつく犬に育てよう」と思って飼う人はいません。誰もが「信頼関係のある楽しい犬」を思い、飼い始めるはずです。しつけができないと飼い主の犬も不幸です。
ここでは、犬を飼い始めるときから実際に飼ってから、問題行動を起こさないようにいくつかの注意事項にまとめてみました。
1.犬を飼うまえに考慮すべきこと
【家庭の環境にあった犬を選ぶ】
家庭の環境をよく考え小型犬か大型犬かなど、犬の大きさのことを考えなければなりなせん。大きければ散歩の長さ(運動量)や手入れに時間がかかり、それだけの時間がない家庭には不向きでしょう。
その他性質、性別、活動量など家庭の環境を考慮しなければなりません。犬の行動のニーズに合った環境を準備できるかは重要なポイントです。
【購入時期や購入先を選ぶ】
犬を飼うのに理想的な飼い主と飼育環境があったとしても、犬自身に遺伝的な要因があったり、社会化期に刺激の少ない環境で飼われていた場合には、問題行動の発生する確率が高くなります。ですから、犬が育った環境や両親(特に母犬)をみせてもらうことは重要です。さらに十分な社会化期を過ごした子犬を選ばなければなりません。
【家族全員の合意】
犬は群れで行動する動物です。犬のしつけは家族の誰か一人が行うのでなく、家族全員で行わなくてはなりません。ですから、家族全員の合意のもとに飼う必要があります。
2.犬を飼い始めてから注意すべきこと
【しつけをして、飼い主と犬のよい関係を構築する】
家庭の人たちが犬から信頼されるリーダーになれるように一貫性のある服従訓練をはじめとする「しつけ」を行い、犬がリーダーのもとで安心した生活が送れるようにしなければなりません。
【飼い主の環境に馴らす】
たとえ社会化期を理想的に過ごしたとしても、新しい飼い主の環境すべてに順応するわけではありません。一緒に買い物ができるように、街の中に馴らしたり、他の犬に合わせるなど、新しい環境や、新しい刺激に馴れさせることが大切です。
トイレットトレーニングは家の中や敷地内でするようにし、散歩中の排便排尿はさせないようにしつけましょう。
【きちんとした健康管理を行う】
毎日の運動、ブラッシングをはじめ定期的なワクチン接種やフィラリア症の予防など、しっかりとした健康管理を行わなければなりません。具合が悪いときには、すぐに獣医師の診察を受けましょう。
何日も様子を見るといったことをしてはいけなせん。
犬の学習理論
社会化期
しつけ(服従訓練とオペラント訓練技法)
問題行動と行動治療
問題行動の予防
《はじめに》
犬と人間の付き合いは古く紀元前6ー7千年頃からと言われています。
その昔、人々は食物を野獣や木の実などに頼り狩猟や採集によって生活をしていました。
犬はこの時期に狩りに利用できる動物として家畜化されていったと考えられています。
しかし、単なる利害関係(犬は人から餌を貰い、人は狩りに利用)だけでなく、
仲間としての精神的な絆を強めていったことは疑う余地もありません。
そして今日では伴侶動物(コンパニオンアニマル)として私たち人間の心を豊かにし、
生活に潤いを与えてくれる存在となっています。
私たち人間は共に生活を楽しむ伴侶動物として犬と付き合うとき、
犬の本能や習性そして特性を理解することは必要不可欠なことです。
そして、問題行動を未然に防がなくてはなりません。
さらに、犬が健康であることは、共に生きる喜びを増し、共に生活に溢れ、精神的な絆もいっそう強まることになるはずです。
しかし、現実には多くの犬が問題行動を起こし、飼い主が飼いきれず処分されたり、
処分されないまでも家族から疎まれて生きている犬は少なくありません。
こうした犬は病気になっても治療することも困難な場合があります。
人が犬を飼う時、言うことを聞かない、気の強く噛み付く犬にしたいと思う人はいないはずです。
信頼関係のある楽しい犬にしたいと思って犬を飼うはずです。
犬を飼う時、餌を与え、散歩をし、フィラリアや伝染病の予防接種をすれば十分と思っている人が大勢います。
しかし、それだけだけではなく「しつけ」の重要性を理解し実践しなければならないのです。
犬を安易に飼ってはいけないのです。
犬の種類や個性にもよりますが、しつけをはじめ犬の健康を管理し一緒に生活するにはかなりの時間と手間が必要です。
しかし、そうして犬と付き合うこと自体が犬を飼う楽しみそのものだと思うのです。
犬の「しつけ」とは非常に曖昧な言葉として用いられていますが、
ここでは、『犬は、生活を共にし、共に楽しい生活を送ることのできるパートナー』として、
そのような犬を育てるにはなにが必要なのか?という事を「しつけ」と定義したいと思います。
すなわち、問題行動を治療することでなく、問題行動を起こさないように(予防)育てることが重要な事なのです。
そして『飼い主と犬とのより良い関係を築くこと』が目標です。
短時間の講習を目的とした簡単なものとする必要があるために、十分な説明がされていなかったり、誤解を招くところがあると思います。
それは私の力不足によるものですが、講習の中で補っていきたいと思います。
《犬の本能・習性と正常行動》
犬は長い歴史のなかで人間により種々の目的に適した性質を持つように選択的育種が繰り返されてきました。
その結果、用途の異なる犬種が改良されてきましたが、犬種により形態的特徴や行動の特徴があります。
しかし、遠い祖先のオオカミから受け継いだ本能・習性は現在の犬にも継承されていて、
犬の正常な行動(社会行動)の中に見ることができます。
継承された主な本能には、繁殖本能(生殖本能、養育本能)、
社会本能(群棲本能、支配性本能、服従性本能、警戒本能、防衛本能、監守本能、闘争本能、帰家本能など)、
自衛本能、逃走本能、運動本能(遊戯本能)、栄養本能(探索本能、追跡本能、持帰本能)などがあります。
しかし犬は、犬種により行動様式にはかなりの違いありますし、また、同じ犬種であっても個体差があるもの事実です。
現在の犬が持っている主な正常行動を以下に挙げてみました。
(1)支配性(優位性)行動と服従性行動(支配階級制)
犬は祖先のオオカミと同様に社会性を持つ動物で、群れを作り生活します。
その群れの中では上下関係をつくり群れを統率する順位制度があるのです。
この制度により優位のものが劣位の犬に対して食物や交配相手といったすべての限られた資源を得ることにより統制されていて、平和な群れが維持されているのです(群棲本能、支配性本能、服従性本能)。
犬が家庭で飼われた場合には、その家族が自分の群れでありその中で順位づけがされます。
ですから犬を飼う場合には、犬の順位を家族の中で1番下(劣位)にすることが犬を精神的に安定した状態にし、飼いやすい犬にしつけることができるわけです。
どんな犬にも支配性本能と服従性本能の両者を持っていますが、どの相手にどちらの行動をとれば良いのかは学習が必要なのです。
1.犬が服従性を示すボディーランゲージ
a)犬が眼をそらす
b)能動的(積極的)服従・・・姿勢を低くして耳を後ろにねかせ尾を垂らす。
飼い主の顔や口もとを舐める(子犬が母犬に餌をねだる時の行動に由来)。
c)受動的服従・・・横にひっくり返って、片脚を宙にあげ外陰部を露出する。
少量の尿をもらすこともある。(子犬が母犬に陰部をなめてもらい排尿を促す行為に由来)
2.犬が支配性を示すボディーランゲージ
a)飼い主をみらむ
b)耳を前向きに立て、尾をあげ、歯をむく姿勢。
c)飼い主に前脚でのしかかる姿勢。
d)ボディーランゲージ以外にも支配性行動を示す表現として
次のような行動をとることがあります。
I)自分の気に入った場所から離れない。
II)口にくわえた物をはなさない。
III)言うことをきかない、無視するようになる。
IV)触られるのを嫌がる。
など犬が「自分の思いどおりになる」といった態度をとった時は支配意識を持ったと判断しなければなりません。
(2)縄張り性行動
犬は飼われている家を縄張りと看做し、近づいてくる(侵入しようとする)人間や動物に対して縄張りを守ろうとして吠えます(警戒本能)。
特に犬が自分の縄張りと思っている境界付近で顕著で、犬が吠える最も基本的な習性です。一般的には、犬が家庭内で優位にある時にこの行動は激しくなります。
(3)狩猟行動と採食行動
野生のオオカミは群れで組織的に狩猟を行います。
時には巣穴から遠く離れた所にまで獲物の臭いを頼りに追い(捜索本能)、
発見した時には、逃げる獲物を捉えようと走り(追跡本能)、
採った獲物を巣穴に運んで(持来本能、帰家(巣)本能)子供に与えたりします。
犬が動くものを追いかける行動はこの狩猟行動に由来するものなのです。
犬がボールをくわえてきたり(持来本能)、走る人や自転車などを追いかけたり(追跡本能)、
警察犬が臭覚を使い犯人を追う(捜索本能)のも捕食性行動によるものなのです。
ただし、この行動は犬種や個体差がかなりあり、すべての犬が同程度の行動をとるわけではありません。
(4)遊戯行動
犬は子犬でも、あるいは成長して大人になってもよく遊ぶ動物です。
子犬にとっての遊戯行動は将来必要となる行動の訓練といった意味合いがあり必要なことでもあります。
例えば、じゃれて遊ぶ中で噛みついて良い許容範囲を学んだり、優位と劣位の関係を示すしぐさを学んだりするのです。
成犬になっても、頭をさげ尾をあげる遊戯姿勢をとり、性的行動、
攻撃行動あるいは追跡捕獲行動を遊戯行動として行うことがありますが、
本気であるかの判断が難しいこともあります。
飼い主と犬の間の遊戯行動は支配性本能(権勢本能)から派生したものと考えるべきで、
脚で飛びついたり、あまがみなどはさせてないけません。
さらに支配的傾向のある犬の飼い主は綱引きなど闘争的な遊びはさけるべきでしょう。
(5)繁殖行動(生殖本能)
犬が性成熟に達するのは生後6〜10ヶ月ごろです。一般に小型犬は大型犬に比べ早熟です。
雄では片脚をあげて排尿をするようになった時で、雌の場合は発情の開始(膣から出血が見られる)で性成熟に達したことになります。
雌は発情前期(発情出血が始まった直後)には雄を寄せつけませんが、交尾期(発情出血後10日前後)には雄を許容するようになります。犬の妊娠期間は平均63日ですが、妊娠しなかった場合は、年に2回(1回のこともある)発情を繰り返します。
(6)母性行動(養育本能あるいは母性本能)
雌犬が出産する場合は安全な所で出産しようとします。
それは外敵から子を守ろうとする本能からです。出産後も同様で、たとえ飼い主であってもそばに寄せつけないことがあります。母子間の絆は非常に強いものなのです。
分娩から離乳するまですべてのことを母犬が行い子育てするのが普通ですが、中には子育てをしない犬もいるので、そうした場合には人が手助けしなければならない事もあります。
飼い犬が出産するときは、住み慣れた場所で人気のない所に産室(小さ過ぎず、大き過ぎないもの)を作り、薄暗い環境にすることが必要です。
(7)排泄行動
オオカミは山の斜面などに掘った巣穴で生活します。
巣穴を汚さないように、あるいは他の動物に巣穴を見つけられないように、
巣穴から離れた場所に排泄する習性があります。犬も同様の習性があるため、
家の中で犬を飼う場合はハウス(寝床)から離れた場所にトイレを作らなければなりません。
またハウスはあまり広いものでなく、体の方向が変えられる程度であまり明るくないほうが良いでしょう。
《犬の学習理論》
本能的な行動以外の、動物にとって有益な行動パターンをどのようにして動物が獲得するかを実験的に集大成して確立した理論です。
犬の学習理論だけで犬の発育段階におけるすべての認知過程を理解・評価できる訳ではありませんが、
犬の行動を予測したり、問題行動を予防あるいは変更させるためには是非とも知っておいた方が有利な理論です。犬が新しい行動を学習する場合、2つの方法があります。
すなわち、古典的条件づけとオペラント条件づけ(道具的学習)です。
(1)古典的条件づけ
古典的条件づけとは、不随意的・反射的な反応を基礎とするものです。
すなわち、通常では誘発されることのない状況下で、無意識的な行動あるいは反射的な行動を、動物が学習する過程をいいます。
反射反応(無条件反応)を起こさせる自然の刺激(無条件刺激)に、
反射反応とは関係のない中性刺激を繰り返し与えると、やがて中性刺激だけで反射反応が発現するようになります。
この状態での中性刺激を条件刺激、また反射反応を条件反射といいます。
これが古典的条件づけといわれるものです。
ロシアの研究者のパブロフの行ったいわゆる"パブロフのイヌ"の例に代表されるもので、
犬に餌を与える時にベルの音を聞かせていると、餌を見せなくてもベルの音だけで犬がよだれを垂らすようになることを発見しました。
この場合は無条件刺激が餌、中性刺激(条件刺激)がベルの音、反射反応(条件反射)がよだれの分泌になります。
家庭でのトイレのしつけは本来この古典的条件づけによるものです。
排尿や排便といった生理的反応では、排泄をしたいという体内感覚と前にした排泄の臭いなどの環境刺激が無条件刺激として働きます。
ですから、家庭での訓練は、排泄反応を環境刺激とだけ結び付けるプロセスといえます。
(2)オペラント条件づけ(道具的学習)
与えられた状況下(号令)で生じたある一定の自発的行動(反応)に続いて報酬(褒美)を与える事によって、動物がその行動を学習する過程をいいます。
すなわち、号令→反応+強化(報酬)によって一定の行動を習得させる過程で、この過程が続けて起こることが極めて重要となります。
オペラント条件づけは1937年にアメリカの行動学者B・F・スキナーが用いた方法です。
スキナー箱という箱の中にテコ棒が仕掛けられていて中に入ったネズミが棒を踏むと餌が与えられる仕組みになっている箱で、
初めはネズミが偶然に棒を踏むことにより餌を得ましたが、以後それを学習し条件反射が強化されこの行動を完全に学習しました。
このメカニズムすなわち、動物は刺激により条件反射をとり、報酬を得る学習は積極的で強制することなく学習することをオペラントと名付けました。
動物の条件反射行動が道具的に学習されるので道具的学習ともいわれます。
オペラント条件づけを犬の訓練に積極的に応用するとき、オペラント訓練技法ともいわれます。
問題行動によっては学習してしまった結果によるものがかなりあります。
例えば、飼い主の注目を注ぐといった行為は犬にとって報酬になります。
1.強化 動物にとって報酬となる出来事のこと。
ある刺激(犬の場合号令)に続く行動の 直後に報酬となる出来事が加わると、
その行動が繰り返される確率が上昇します。
a)強化のタイミング;報酬を与えるタイミングが重要で、反応と同時に与えなければなりません。
b)強化の度合い;報酬が魅力的であればある程、その効果があると思いがちですけれど、学習させたい反応が複雑であったり、静かにじっと我慢させる行動を必要とする場合には、かえって逆効果になることがあります。
c)強化スケジュール;反応を常に維持するには、間隔をあけて不定期に報酬を与えたほう
が良いでしょう。
d)二次的強化;本来の報酬ではなく、報酬と一緒に与えることによって、強化として働 く二
次的な報酬のことです。ほとんどの犬は飼い主との相互関係が本質的な報酬であり、
褒め言葉や愛撫などは強化としては一番の報酬となります。
2.消去 条件づけられた特定の行動を消滅させることとで、古典的条件づけでも用いられ る用語です。
その方法は、行動が強化されないように徹底することが最も安全で信頼性 の高い方法です。消去とは別の反応を新たに学習することで、忘却ではありません。
かつて強化を与えられた反応が突然強化を与えられなくなると、始めはその反応 (行動)がより頻繁に認められる(消去バースト)ようになることがありますが、しだいに減少していきます。
3.反応形成 希望する複雑な反応(行動)を徐々に教えこむ場合に用いられる方法。複雑 な行動を段階ごとに訓練する場合などです。
4.刺激般化 ある特定の刺激に対して行動が条件づけられてしまうと、類似の刺激にたい しても同様の行動が生じることがあり、これを刺激般化といいます。例えば、花火の音にパニックになった場合、他の大きな音(雷など)に対してもパニックになる場合などです。
(3)罰
罰とは特定の行動が再発する可能性を減らすために、その行動の最中か直後に嫌悪刺激を与えたり、報酬をなくしたりすること(負の強化)をいいます。罰は訓練する場合にとても効果的で最もよく使われる方法と思われています。しかし、特殊な場合に遠隔罰を用いた嫌悪学習などでは効果的な場合がありますが、直接罰は恐怖感や不安感を与え問題行動をより悪化させてしまうことがあり、あまり薦められる方法ではありません。それより、報酬、消去、気をそらす、別の行動に仕向けるといった方法で行動の再発を減じるほうが、時間はかかりますが最も確実性があります。罰は犬が恐怖を感じて攻撃性を示したり、罰を与える人を避けてしまうようになったりすることがあるのです。
罰には下記のように直接罰、遠隔罰および社会罰があります。
a)直接罰;犬に対して直接的に与える罰で言葉で叱る、叩く、首を掴むなどです。
b)遠隔罰;無駄吠え防止首輪、水鉄砲、缶からや雑巾投げなどにより犬が罰を与える人 間が分からないように遠隔操作によって与える罰。
c)社会罰;無視やタイムアイト。
《社会化期》
1965年にアメリカの心理学者のJ.スコットとJ.フューラーらは子犬の行動発達についての16年にわたる研究の成果を明かにしました。生まれた子犬の感覚や行動様式は環境に影響を受けながら発達し、行動発達は(1)新生期、(2)移行期、(3)社会化期、(4)若齢期の各段階に分けられるというものです。
各段階の特徴は、
1.新生期(生後0〜13日);眼があくまでの時期で各種の反射機能(交差伸筋反射、マグナス反射、ルート反射、唇吸引反射、眼瞼反射、排泄反射)はありますが、眼はみえず、外界の刺激からは遮断されています。平衡感覚、痛覚、温度感覚はあり、この時期に基本的ならびに身体的に必要なものは、母乳、保温、睡眠そして自分ではまだ排泄できないため母犬が子犬の陰部をなめ排尿排便を促す反射刺激です。
2.移行期(生後14〜20日);耳はまだきこえませんが、視力をはじめとする感覚機能が徐々に発達し、刺激に反応し学習する能力が出てくる時期です。臭覚はこの時期から学習が始まっていてこの時期に子犬に触れることは犬と人間の相互関係を形成するのに役 立ちます。自分で排泄ができ、生後20日頃から歯がはえてきます。
3.社会化期(生後21日〜12週齢頃);生後21日前後で耳がきこえるようになり、生後5週ころに歯がはえそろうと母犬は授乳を嫌がるようになります。7〜10週齢までに離乳します。社会環境に順応しやすく性格が作られる時期です。
4.若齢期(生後12週齢頃〜性成熟まで);運動機能が発達し、離れた場所にも興味を示すようになります。
特に社会化期は集団のなかで社会的関係が形成される時期で、適切に社会科期を過ごさないと将来人に飼われる場合に、飼いにくい犬となることがあります。
社会化とは、相手(人や犬)に対して相手に応じた適切な行動をとる能力を接触や環境刺激を通して学習獲得することです。ですから、生後1ヶ月ぐらいに母犬や同腹犬と離され犬を飼う場合は飼い主が同様の社会化作業を行わないと問題行動を起こす要因となってしまうのです。
社会化期の始めに耳がきこえ眼がみえるようになり、探索するようになり、同腹犬や人間に関心を示すようになり、この時期から12週齢齢頃までの子犬の環境や刺激が子犬の性格に大きな影響を与えるのです。社会化期に必要な環境を次に示しました。
1.母犬との相互関係;子犬の排泄を促すために陰部をなめる時に子犬は陰部を露出させる 姿勢をとります。これは服従の姿勢で、母犬から服従行動を学びます。さらに、離乳時 期に子犬が乳房を吸おうとすると、母犬は威嚇したり押さえ込んだりし、その過程で子犬は服従の姿勢をとるようになり服従行動を学ぶのです。子犬が母犬に噛みつくと、母犬は強い反撃攻撃をします。そして子犬は二度と母犬を噛まなくなります。
2.同腹犬との相互関係;子犬同士の遊び(追いかけっこ、じゃれあい、噛み合い、など) のなかで、優位や劣位の行動を学び、ボディーランゲージも学習します。噛み合い遊び のなかで噛み付きの許容範囲も学習するのです。
3.人間との相互関係;人間と接触することにより、子犬は人間を潜在的な社会的対象動物 すなわち、自分と同じ種類の動物とみなすようになるのです。ですから子犬はできるだけ家庭的な環境のなかで、男性、女性、子供をはじめとするさまざまな人間との接触が 必要なのです。そうすることにより、新しい飼い主のもとで人間を恐れることのない犬となるのです。
4.環境との相互関係;ほとんど刺激のない環境で育った子犬は、学習能力が阻害され、過 剰反応や恐怖反応をはじめとする種々の障害が現れやすいということが明かになってき ました。したがって、子犬には社会化期の早い段階から人間環境の経験をさせておく必 要があります。たとえば、洗濯機、掃除機、テレビなど(人間環境の音)や車に乗せることなどです。こうすることによって、将来新しい飼い主さんの所へ行っても恐怖心を抱いたりその他の問題行動を起こさない犬になるのです。
《しつけ(服従訓練とオペラント訓練技法)》
犬は群れで行動する動物です。群れの中には劣位のものから信頼される強いリーダー(α=アルファー;第1位という意味)がいて群れを統率するのです。換言すれば犬は頼りになるリーダーをも求めているのです。家庭で犬を飼う場合には、家族を構成する人間がみんな犬のリーダーにならなければいけません。犬に「しつけ」をするとき、犬からみて信頼できるリーダーとして認められていないと犬はなにも従ってくれません。
犬を飼う時、言うことのきかない噛みつく犬にしたいと思う人はいないはずです。ほとんどすべての人は信頼関係のある楽しい犬にしたいと思っているはずです。そのためには犬が本能として持っている服従性本能を伸ばしてやり、逆に支配性本能を伸ばさない工夫が必要です。飼い主も、犬が期待しているリーダーになるために、リーダーウオーク・ホールドスチール・アタッチメント(リーダーとしての態度)を行い、続いて「座る」「伏せる」「陰部露出」などの犬がリーダーに示す服従行動をさせることが必要です。犬に「伏せ」などの号令を学ばせるためには強制ではなく、オペラント技法を用いると犬は自発的に、積極的に、あるいは飼い主(リーダー)の号令を喜んで求めるようになります。このような訓練の方法が重要なポイントなのです。
(1)リーダーウオーク
散歩のときに飼い主は犬を自分の横あるいはやや後ろに従えて歩くことです。群れで行動する犬の本能で、群れを移動するときはリーダー(ボス)が先頭に立ち、群れを意識的に誘導します。散歩は犬にとって群れの移動と考えており、犬に引っ張られて散歩をするのは犬に対して人間が服従性行動をとっていることになるのです。散歩のときには、犬を決して前にださず、顔を見たり、声で命令したり、叱ったりしないで犬を無視して散歩をします。こうした飼い主の行動はリーダーとしての態度として犬に伝わり、犬は飼い主に対して従属的な行動を好み、喜ぶようになります。
実際には、犬を無視してどんどん歩きます。リードは引っ張らないようにし(趨触性といって、引かれると余計に引こうとする犬の心理)、犬がリードを引いたらその瞬間にリードが緩む方向に方向転換します。犬が前に出ようとしたら、その瞬間に反対方向へ行きます。犬が右に行こうとしたら左へ、左に行こうとしたら右に方向転換し、飼い主がリーダーシップをとって歩きます。
(2)ホールドスチール(拘束静止法)
犬の服従性本能を育てるのに最も適した方法です。しかし、1歳を超えるとかなりの力で抵抗することがありますから、そのときは十分にリーダーウオークをするといったことも必要かもしれません。
具体的には、飼い主はヒザをついて座り、犬を後ろから抱きかかえるように座らせます。犬は特に劣位のものに後ろに回られるのを嫌がります。犬が飼い主を信頼させるための方法なのです。次に、片方の手で犬の胸のあたりを支え、もう片方の手でマズルを持ちコントロールします。犬が抵抗しても決して離してはいけません。抵抗すれば離すことを学習してしまうのです。犬が静止して動かなければ「よーし」と褒め撫でてあげます。この時(動かなくなった時)いきなり解放すると、解放されることを期待し逆に落ち着かなくなることがあるので、徐々に解放することが大切です。
(3)アタッチメント(体端部接触馴致脱感作法)
犬の体端部(耳、鼻、尾、四肢端、腹など)は知覚神経の敏感な場所で触られるのを嫌がります。
しかし、体端部を触ることによって犬は飼い主に対する信頼感を増すため、飼い主に安心して従う服従心を育てることができます。こうすると他人や子供が触っても安心でき、爪切りなどの手入れや動物病院でも診察や治療も簡単にできるようになります。
アタッチメントはホールドスチールが完全にできたら行います。まず、ホールドスチールの状態から前脚をゆっくり前方に引き伏せの姿勢をとらせます。次に、犬を横向きに寝かせ体端部を触ります。
さらに仰向けに寝かせ同様に体端部を触ります。この過程で犬が抵抗しても決して途中でやめてはいけません。解放するときはホールドスチールのときのように徐々に行います。
(4)オペラント訓練技法
オペラント訓練技法の理論についてはオペラント条件づけの項で説明しました。ここでは、この条件づけを用い犬に「スワレ」、「フセ」、「マテ」、「コイ」などの号令をしつける方法について説明します。オペラント訓練技法は犬にさせたい動作・行動を強制的にさせるのではなく、自発的、積極的、喜求的に飼い主の求める動作や行動をさせる方法です。報酬(ご褒美としてごく少量のお肉など)をタイミング良く与え(強化)、繰り返すことにより訓練します。
1.「スワレ」のしつけ
犬を立たせておき、褒美を握った手を犬の鼻先から頭の後ろに向かって移動させます。犬が
座った瞬間に褒美を与え、「よーし」と声で褒めさらに頭を撫でてあげます(二次的強化)。これ
を何度も繰り返します。完全にこの動作ができるようになったら、今度は、座った瞬間に「スワレ」
と言葉をかけます。やはりこれも何度も繰り返すと、言葉だけで座るようになります。褒美として
「よーし」あるいは頭を撫でるだけにしていきます。
2.「フセ」のしつけ
犬をスワレの姿勢にしておき褒美を握った手を今度は犬の前の地面につけます。犬が褒美に
つられ姿勢を低くすると自然にフセの姿勢になりなす。フセをした瞬間に褒美を与え、同様の動作
を繰り返します。動作を学習したら、今度は、フセをする瞬間に「フセ」と号令をかけ、これも繰
り返し行うと号令だけでフセをするようになります。「スワレ」のときと同様に、食べ物の褒美に
加え言葉と愛撫による褒美も忘れてはいけません。
3.「マテ」と「コイ」のしつけ
マテのしつけのポイントは、犬に「待っていれば必ずご褒美が貰える」ということを学習さ
せ、待つことを教えていくことです。犬を座らせ、飼い主に注意を引き付けておきます。少し離れ
ますが犬が立とうとしたら立つ前に戻り褒美を与えることを繰り返します。この動作ができたら今
度は、離れる前に「マテ」と言葉をかけ離れます。徐々に離れる距離を長くできれば成功です。
待つことができたら離れた位置で「コイ」と言葉をかけます。言葉をかけると同時に2〜3歩後ろにさがります。犬がついてきたらすぐに褒美を与えます。
オペラント訓練技法のコツはご褒美の餌と同時に褒め言葉(「よーし」など)と頭を撫でて褒めることを行うことです。そうすると、最終的には褒め言葉や愛撫だけでも犬は自ら進んで喜んで飼い主の号令に従うようになります。訓練の途中で与える褒美も号令に従うようになった時点で不規則(褒美を与えたり、与えなかったりする)に与え、その後は徐々に減らしていくと良いでしょう。
(5)生活環境に慣らす
たとえ社会化期に社会化がうまくされたとしても、犬が実際の飼い主の環境すべてに適応するわけではありません。他人や他の犬(犬が嫌いな人、あるいは適切な社会化期を過ごしていなかったり、支配性攻撃行動をとる犬にはいけなせんが)に対し慣らしていき、商店街や街中でも飼い主を信頼し安心して行動ができるように訓練することが大切です。犬と犬が出会うと社交的情報交換とも言うべき行動(お互いの臭いを嗅ぎあう)をとるものです。このとき喧嘩になるようでは安心して街に出ることもできません。
(6)しつけをしないことによる不利益
1.犬を飼う楽しさの半減;しつけをせず言うことをきかない噛みつく犬と、しつけのできた信頼関係のある楽しい犬を比べたとき、どちらの犬を飼いたいと思うかは明らかです。飼い主さんの考え方にもよりますが・・・
2.犬の健康管理ができない;しつけをせず支配性攻撃行動を示す犬の場合、ブラッシングやシャンプーを行うこともできないばかりでなく、病気になっても動物病院に連れて行くこともできなくなります。たとえ連れていったとしても必要な検査や治療が困難なことも多々あります。
3.病気になりやすい;しつけをしていないと、常同症をはじめとする「しつけ」をしていな
いことによる疾患に罹ることがあります。こうした疾患はしつけが原因のため薬ですぐに治すというわけにはいかないことが少なくありません。さらに、しつけをしていない犬は常に支配的立場を維持しなければならないというストレスや攻撃的な生活は常に交感神経を興奮状態にしているため、様々な疾病にかかりやすい状態にさらされるということになるのです。
《問題行動と行動治療》
犬の問題行動とは飼い主が困ったとき、あるいは問題であると思ったとき・問題行動・となるのであって、かなり飼い主の主観によるものがあります。犬にどんな行動をされたら困るかは飼い主の生活環境や考え方によって異なって当然ですし、飼い主は困らなくても周囲の人間に迷惑をかけ飼い主が困るという場合もあります。ここでは、問題行動を「飼い主にとって容認できない行動。および、犬の自己障害的行動」を問題行動と定義します。
問題行動で一番多いものは犬がα(アルファー)となってしまい自分の思いどおりにならないと威嚇や攻撃をする優位性攻撃(権勢症候群)ですが、次いで、人や他の動物に吠えかかる攻撃行動、不適切な排泄行動、むだ吠え、留守番中に家具を噛みちぎる破壊活動などがみられます。
問題行動を治療することを獣医学では行動治療といいます。すなわち、飼い主が自分の飼い犬を問題と認識しそれを治そうと思ったとき初めて治療が可能となります。獣医師の手法は医学的な問題なのか、あるいは行動上の問題なのかを精査し1.環境の変更、2.ホルモン療法、3.行動療法(行動修正も含まれる)4.薬物療法などを単独あるいは組み合わせて行います。
ここでは、主な問題行動の特徴と飼い主にも可能な行動療法を中心に説明します。しかし、とても「凶暴」に育ててしまった犬の場合には獣医師や訓練士に相談するべきであることはいうまでもありません。また問題行動はいくつもの行動が重なって起こしていることが多く、素人判断は禁物です。
(1)問題行動
犬の攻撃行動は唸る・歯をむく・噛むの3種類があり、同時に攻撃の表情や姿勢をとります。
1.攻撃行動
(a)優位性攻撃行動;犬が家族(群れ)の中で優位(ボス)であるとみなし、あるいはその優位(順位)を誇示するためにみせる攻撃行動(αーシンドローム、権勢症候群)です。この問題行動のほとんどは飼い主が犬のいいなりになった結果(服従性行動をとった結果)によるものです。代表的な行動を次に例示します。
・食べ物やおもちゃをとろうとすると威嚇あるいは噛みつく。
・散歩でいつも先頭に立ち自分の行きたい方向へ引っ張る。
・散歩中に他人や他の犬に吠えかかったり、リードをくわえたり、飼い主の足に飛びついたり噛んだりする。
・飼い主に飛びついたり、吠えたりする。
・飼い主の手をジャレて噛む。
・排泄後地面を引っかく。
・飼い主の言うことをきかない、無視する。
・飼い主にマウントする。
【対策】
●行動療法:最大のポイントは服従訓練のやり直しです。
(b)縄張り性攻撃行動;飼い主の家や庭を犬が縄張りとみなしていると、郵便配達人や訪問者に対し縄張り性攻撃行動を起こします。これは犬が吠えることによって侵入者を撃退したと学習してしまうもので(本来は仕事を終え帰るのですが)、毎日繰り返すことにより学習が強化されてしまうのです。
しかし、こうした訪問者に吠えるからといってその行動がすべて縄張り性攻撃行動であるわけではありません。支配性攻撃行動であったり、縄張り性攻撃行動と支配性攻撃行動の組み合わさった攻撃行動などがあります。ですから訪問者に吠えたから縄張り性攻撃行動と判断するのは危険です。素人判断は問題を複雑にし逆効果になることが少なくありません。
縄張りを守る行動というよりは、保守防衛的攻撃行動すなわち、縄張りよりも飼い主を守るためにみられる攻撃行動もあります。
【対策】
●環境の変更
●行動療法:系統的脱感作and/or報酬を利用した逆条件づけ。
(c)恐怖性攻撃行動;恐怖誘因性攻撃行動とも呼ばれ、恐れや不安による攻撃行動で、以下に示すような恐怖行動が見られればこの攻撃行動です。1.恐怖を示す姿勢 (耳を後ろにねかせ、尾を下げる、震える)が犬に認められた場合。2.積極的に攻撃しようとするのではなく、後ろに退きながら噛みつこうとしたり、威嚇する場合。3.狭い場所に閉じ込められるなど、犬が追いつめられたと感じるような場合。不意に驚くような状況におかれた場合などです。
先天的に臆病で恐怖性攻撃行動を起こす犬もいますが、子犬の時に経験した事が恐怖心と結びついている場合、あるいは社会化が不十分な場合などにみられます。
【対策】
●環境の変更
●行動療法:(I)攻撃対象に対する系統的脱感作and/or報酬を利用した逆条件づけ。
(II)飼い主と犬との関係の再構築。
●薬物療法
(d)捕食性攻撃行動;捕食姿勢(注視、忍び歩き、低い姿勢など)に引き続き起 こる事が多く、人をはじめ、犬、猫、鳥、などの動物に対して攻撃行動を起こします。ときには、自転車や車などに対する場合もあり、すばやく動くものによって誘発されることが特徴です。威嚇をしたり、吠えたりしないで攻撃することが捕食性攻撃行動によくみられます。
【対策】
●環境の変更
●行動療法:(I)飼い主と犬との関係の再構築。
(II)攻撃対象に対する系統的脱感作and/or報酬を利用した逆条件づけ。
(III)遠隔罰を利用した嫌悪条件づけ。
(d)同種間攻撃行動(家庭内);同一家庭内に複数の犬がいる場合、お互いの優劣関係の意識がないことによる犬同士の攻撃行動です。とくに同じ犬種、同じ体格、同じ性質、同じ性別のとき起こしやすい。子犬のときは問題はないのに、成犬になってこうした攻撃行動がみられることが多いようです。
社会化ができていなかったり、人間が弱い犬に味方してしまい優劣関係ができないことによる場合がかなりあります。
【対策】
●行動療法:(I)順位の確立。
(II)不適切な仲裁の禁止。
●ホルモン療法:雄同士の場合は去勢手術が有効なことがある。
(e)同種間攻撃行動(家庭外);散歩中に見知らぬ犬にとる攻撃行動で、特に相手の犬が威嚇をしたり、危害を与える意志がないと思われるのに攻撃する行動です。社会化不足、過度の防衛本能、飼い主を守る防護本能、支配性本能の強い場合などが代表的な例です。
【対策】
●環境の変更:攻撃行動が起こる状況の回避。
●行動療法:他の犬との距離に対する系統的脱感作and/or報酬を利用した逆条件け。
●ホルモン療法:雄の場合去勢手術が有効なことがある。
(f)特発性攻撃行動;何の前触れもなく、突然襲いかかる攻撃行動で特発性凶暴性症候群とも言われます。このような犬では通常、支配性を示す徴候がみられます。単色の皮毛のコッカースパニエルに多いとされています。非常に危険なため行動療法が不可能なこともあります。
【対策】
●薬物療法
●安楽死
(g)母性的攻撃行動;子育てをしている母犬に近づいてきた人を威嚇するもので、母犬の本能的な正常行動です。従ってこの行動を修正する必要はありません。これは、支配性攻撃行動の変形とも考えることもできるようです(子育ての時期には支配性の上昇を認めることが多い)。
2.不安・恐怖に関連する問題行動
(a)分離不安;飼い主の不在時のみにみられる問題行動で、無駄吠え、破壊的行動、不適切な排泄、嘔吐、下痢、震え、自傷的行動などの行動がみられます。犬は群れで行動する動物で本来群れの仲間と一緒に生活していて、特に子犬は一匹でいることが苦手な動物です。成犬になると、だんだん群れから離れても不安は起こらなくなります。しかし、飼い主の不在により不安を生じる犬がいるのです。
分離不安の要因には、飼い主の外出に対する馴化不足(飼い主がいつも家にいる環境で育った犬)、外出および帰宅時の飼い主による犬への関わり合いの過多などがあります。
【対策】
●行動療法:(I)飼い主と犬との関係の再構築。
(II)外出に対する系統的脱感作and/or報酬を利用にた逆条件づけ。
(III)外出を気づかせる手がかりを与えない。
(IV)外出および帰宅時の飼い主による犬への関わりの排除。
●薬物療法:行動療法の補助として用いられる。
(b)騒音恐怖症;雷、花火、飛行機の音などに対して起こす不安行動や逃避行動です。大きな音に対して不安行動を示すだけでなく、パニック状態となることもあります。犬は一定以下の音(刺激)に対しては、繰り返し与えられるとそれに慣れていくのですが、一定以上の強い音(刺激)に対しては、恐れや逃走の反応が引き起こされ慣れることがない場合があります。すなわち、音(刺激)に対する恐怖が古典的条件づけされてしまうのです。
社会化不足、過去の経験(例えば、雷のときに驚いて体をどこかにぶつけるなどの肉体的苦痛、痛みを伴ったときにはいっそう激しい)、飼い主の不適切な強化(犬が不安の行動を示したときに、なだめたりするとそれが褒美となり恐怖症がどんどん悪化する)などが要因のことが多いようです。さらに、騒音恐怖症は1つの音 (例えば花火の音)に対して恐怖が強化されると、それ以外の大きな音(例えば雷の音)に対しても恐怖症になってしまうことがあります(刺激般化)。
【対策】
●行動療法:(I)飼い主と犬との関係の再構築。
(II)恐怖の対象になる音に対する系統的脱感作and/or 報酬を利用した逆条件け。
(III)不適切な強化(なだめる、だっこするなど)の禁止。
●薬物療法:行動療法の補助として用いる。
3.その他の問題行動
(a )無駄吠え;飼い主にとって困るように吠えることが無駄吠えで、行動学上の用語ではありません。吠えることによって近所に迷惑をかけるといった理由で無駄吠えとするのが現代社会の慣例とされているのです。
犬が吠えることは犬にとってのコミュニケーション手段であり何らかの理由(縄張り性攻撃、分離不安、飼い主の注意を引く、他人に対する攻撃、恐怖、などさまざま)があります。ですから、無駄吠えをなくすには吠える理由・原因を明らかにし、それぞれの理由・原因に合った方法をとらなければなりません。
【対策】
●環境の変更
●行動療法:(I)吠える刺激に対する系統的脱感作and/or報酬を利用した逆条件け。
(II)飼い主の不適切な対応と強化の禁止。
(III)嫌悪刺激を罰として用いる(負の強化)。ただし、犬の行動ニーズを満
たしていないことが原因のときは逆効果。
(b)不適切な排尿(子犬のトイレットトレーニング);子犬のトイレのしつけはそれほど難しくありなせん。自分の巣穴を清潔にし、臭いにより外敵から巣穴を悟られないようにする本能的行動パターンがあるからです。そして、適切なハウス(あまり大きすぎず安心できる場所)と適切なトイレ(ハウスから離れた場所で、少し広めの大きさ)を考慮すれば、古典的条件づけによりすぐに学習します。
(c)不適切な排泄(成犬);子犬のときのしつけには問題がなくずっとうまくいっていたが、突然、不適切な場所で排泄するようになることがあります。このような行動の原因には、尿によるマーキング、下痢などの消化器疾患で間違った場所での排泄行動それ自体が強化された場合に引き続いてみられる不適切な場所での排泄があります。
【対策】
医学的な問題(泌尿器系の疾患による頻尿、消化器疾患による排便など)があるか否かを獣医師に判断してもらい、そうでなければ、
●環境の変更:ハウスとトイレの大きさ、位置、場所の確認。不備であれば変更。
●行動療法:しつけのし直し。尿マーキンッグは支配性意識が高まると起こしやすい。不
適切な排便の場合は行動の消去や報酬を利用した逆条件づけ。
●ホルモン療法:尿マーキングは去勢手術が有効な場合がある(約50%)。
(d)服従的排尿行動;医学的な問題以外で不適切な排尿がみられる場合で服従行動に伴う排尿行動です。代表的なものに人が近づいたときなどに仰向けの姿勢で片脚をあげ、受動的服従行動として排尿してしまう場合です。すでに服従的立場にある犬に、犬にとって支配的地位の人が近づいた場合に服従的排尿行動が起こります。
【対策】
●行動療法:飼い主がとる支配的な態度や行動を変更する。例えば、犬に接するときに
しゃがんで犬と同じ高さで接するなど。
●注意:過度の興奮によっても排尿する場合があるので、それとの見極めが重要。
(e)飼い主の関心を求める行動;咳をしたり(抱き上げると止む)、跛行、空中のハエを捕まえる様なしぐさなど様々な行動をとります。こはれは飼い主に対し関心を引こうとする行動なので、飼い主がいないときには起こしません。
【対策】
●行動療法:(I)飼い主と犬の関係の再構築。
(II)問題行動への強化の回避。
(III)報酬を利用した逆条件づけ。例えば、問題行動をとったときに、「伏せ」などの別の好ましい行動をとらせ、その行動に対して報酬を与えるなどです。
(f)常同症;動物が緊張や不安を緩和させるために行う行動を転位行動といいます。葛藤(二者の選択)、欲求不満(本能的な行動に対するもの)、高揚状態(喧嘩の直後)などにみられます。転位行動としては、毛づくろい、体を舐める、床を引っ掻く、自分の尾を追うなどがあります。転位行動が繰り返し行われるようになると同常症といいます。常同症で例えば、前脚を舐め続けると舐性皮膚炎(肉芽腫)になる場合もあります。
【対策】
●行動療法:(I)飼い主と犬との関係の再構築。飼い主との関係が退屈な場合。
誰にもかまってもらえない。
(II)きっかけとなる葛藤や高揚状態への対処。
(g)活動性の過剰;飛びついたり、顔を舐めようとしたり、動き回ったり、遊びをねだったりする行動が日常生活のなかで常にみられ、飼い主が困ってしまう状態のことです。
【対策】
ほとんどの場合、犬の行動ニーズが満たされていないことが原因です。従って犬の行動ニーズを満たすことです。
(2)行動療法
問題行動治療の1つの方法ですが、この方法ですべてが解決するわけではありません。しかし問題行動の多くが「しつけ」の失敗によることが多いことから、犬の飼い主には知っていてほしい方法です。
問題行動の原因は複雑なこともあり、素人判断による行動療法はかえって逆効果になることもあります。
獣医師や訓練士の綿密な計画と適切なアドバイスのもとに行わなくてはならないことも少なくありません。
1.飼い主と犬との関係の再構築
飼い主の支配性の確立を行うことで多くの問題行動は解決する。とくに権勢症候群は犬の支配性を示す問題行動です。その他の問題行動にも飼い主の支配性(優位性)の欠如が原因のことがかなりあります。
2.ストレスの緩和
不安や葛藤などを誘発する状況があればそれを取り除くことが必要です。飼い主の犬に対する態度でよく問題になる例として、不適切な罰、犬に対し家族の一貫性のない対応などにも注意しなければなりません。
また、犬の行動ニーズを満たさないような飼育環境の場合は飼育環境を改善する必要があります。
3.問題行動を引き起こす刺激の除去あるいは修正
問題行動を望ましい行動に変化させる方法で行動修正法とも呼ばれ、学習理論に基づいた方法です。
代表的なものについて説明します。
(a) 馴化;犬は新しい刺激にさらされると驚いたり不安をおぼえることがありますが、この刺
激が徐々にそして何度も繰り返されるとしだいにその刺激に馴れていきます。この過程を馴化とい
い、大きな音への馴化などです。馴化を応用したものに氾濫法 と系統的脱感作があります。
(I)氾濫法(洪水療法);犬が反応を起こすのに十分な刺激をその反応が枯渇するまで繰り返し与える方法です(あまりお薦めできません)。
(II)系統的脱感作;犬が問題行動を起こす刺激であっても、その反応を起こさない程度の弱い刺激を繰り返し与え、犬が反応を起こさなければ徐々に刺激の程度を強めていき最終的には反応を起こしていた刺激まで強めても反応が起こらないようにする方法。逆条件づけと併用すると効果が高い。
(b)逆条件づけ;問題行動を起こす刺激に反応したときに、問題行動とは全く別の好ましい行動をするように条件づけ方法。例えば、留守番をすると破壊活動をする犬に、徐々に留守番の時間を長くする(系統的脱感作)とともに留守番のときのみに報酬を与える(逆条件づけ)などです。あるいは、縄張り性攻撃行動の場合、友人などに頼み犬が吠えない距離まで近づいてもらい、そのときに「オスワリ」と号令をかけ、吠えなければ褒美を与えます(逆条件づけ)そして近づく距離をだんだん狭めていきます(系統的脱感作)。行動の変換代入法(反応の変更)とも呼ばれます。
(c ) 消去;問題行動に対し報酬となっているものを除去し、その行動を消滅させることです。例えば、食事のときに食べ物を欲しがる犬の場合(食べ物を与えなければならないのですが)は無視し報酬(食べ物)を与えない方法です。しかし、多くの場合飼い主が無意識のうちに報酬を与えていることが(他人に吠えかかる問題行動の場合、飼い主は怒っているつもりでも犬にとっては加勢であったり、あおっていると思うことがあります)少なくありません。
(d )注意散漫法;気を散らすことで、驚いたり、不快になるような刺激で犬の気を散らして、問題行動を引き起こす刺激に反応しないようにする方法です。逆条件づけと併用すると効果はさらに増します。
《問題行動の予防》
犬が問題行動を起こすか否かは、遺伝的要因と環境的要因があります。環境的要因にも子犬のときから成犬になるまでの間に様々な要因があり、それらが相互に影響しあいながら決まるものです。しかし、一般的に注意しなければならないことについて説明します。
犬の問題行動は飼い主が困らなければ通常問題化しませんが、「なぜ犬を飼ったのか」ということをもう一度考え直すことも必要でしょう。前にも述べましたが、犬を飼うときに「言うことのきかない、噛みつく犬に育てよう」と思って飼う人はいません。誰もが「信頼関係のある楽しい犬」を思い、飼い始めるはずです。しつけができないと飼い主の犬も不幸です。
ここでは、犬を飼い始めるときから実際に飼ってから、問題行動を起こさないようにいくつかの注意事項にまとめてみました。
1.犬を飼うまえに考慮すべきこと
【家庭の環境にあった犬を選ぶ】
家庭の環境をよく考え小型犬か大型犬かなど、犬の大きさのことを考えなければなりなせん。大きければ散歩の長さ(運動量)や手入れに時間がかかり、それだけの時間がない家庭には不向きでしょう。
その他性質、性別、活動量など家庭の環境を考慮しなければなりません。犬の行動のニーズに合った環境を準備できるかは重要なポイントです。
【購入時期や購入先を選ぶ】
犬を飼うのに理想的な飼い主と飼育環境があったとしても、犬自身に遺伝的な要因があったり、社会化期に刺激の少ない環境で飼われていた場合には、問題行動の発生する確率が高くなります。ですから、犬が育った環境や両親(特に母犬)をみせてもらうことは重要です。さらに十分な社会化期を過ごした子犬を選ばなければなりません。
【家族全員の合意】
犬は群れで行動する動物です。犬のしつけは家族の誰か一人が行うのでなく、家族全員で行わなくてはなりません。ですから、家族全員の合意のもとに飼う必要があります。
2.犬を飼い始めてから注意すべきこと
【しつけをして、飼い主と犬のよい関係を構築する】
家庭の人たちが犬から信頼されるリーダーになれるように一貫性のある服従訓練をはじめとする「しつけ」を行い、犬がリーダーのもとで安心した生活が送れるようにしなければなりません。
【飼い主の環境に馴らす】
たとえ社会化期を理想的に過ごしたとしても、新しい飼い主の環境すべてに順応するわけではありません。一緒に買い物ができるように、街の中に馴らしたり、他の犬に合わせるなど、新しい環境や、新しい刺激に馴れさせることが大切です。
トイレットトレーニングは家の中や敷地内でするようにし、散歩中の排便排尿はさせないようにしつけましょう。
【きちんとした健康管理を行う】
毎日の運動、ブラッシングをはじめ定期的なワクチン接種やフィラリア症の予防など、しっかりとした健康管理を行わなければなりません。具合が悪いときには、すぐに獣医師の診察を受けましょう。
何日も様子を見るといったことをしてはいけなせん。
ルイルイパーティー(ボーダーコリーオフ会)
春のルイルイパーティーの日が決まりました。
ルイルイパーティー 2012 Spring
"梅雨が来る前に愛犬と思いっきり遊びましょう!!!"
日時
2012年 5月 12日 (土曜日) 午前10時〜午後4時
場所
三木市ホースランドパーク緑の広場
参加費
1家族3000円
(お願いと注意)
・ごみは各自が持ち帰ってください。
・愛犬の糞は飼い主が取り、必ず持ち帰ってください。
・ヒート中のメス犬の参加は出来ません。
・愛犬の管理は飼い主が行ってください、
犬のトラブルについては運営側は責任 を負えません。
・馬の検疫が入った場合と天気が雨の場合は中止になります。
春のルイルイパーティーの日が決まりました。
ルイルイパーティー 2012 Spring
"梅雨が来る前に愛犬と思いっきり遊びましょう!!!"
日時
2012年 5月 12日 (土曜日) 午前10時〜午後4時
場所
三木市ホースランドパーク緑の広場
参加費
1家族3000円
(お願いと注意)
・ごみは各自が持ち帰ってください。
・愛犬の糞は飼い主が取り、必ず持ち帰ってください。
・ヒート中のメス犬の参加は出来ません。
・愛犬の管理は飼い主が行ってください、
犬のトラブルについては運営側は責任 を負えません。
・馬の検疫が入った場合と天気が雨の場合は中止になります。













